父の死・・

昨晩 寝ようかなと思ったころ・・電話が鳴った
我が家の頑固爺さんが入院する病院からだ
「チチキトク」・・である

そのまま深夜を南房総に向かって走ったが
死に目には間に合わなかった
享年94歳・・・よく生きた死だったと・・

この10年・・重度の難聴だったが
その分自らの肉体が発するメッセージに耳を傾け
衰えゆく老いと闘っていたのかもしれない
自ら医師としての観察・・ときに鬼気迫るものだった

還暦を過ぎた息子に
ふた親が健在なんて・・できすぎ
「オレって死ぬのを忘れたかも・・」と言っていたが
さすがに息子より後では・・そう自制したのかもしれない

医師として随分と沢山患者さんの体にメスを入れてきた
病のためとはいえ・・
患者の苦しみは十分に理解していたはずだ
だから・・最後は自分の肉体を医学のために献体したいと
嫡男の同意を署名にしろ・・と脅したのは
かれこれ30年も昔のことだったろうか
一束の頭髪以外・・家族に戻ってくるものはない

葬儀不要のこと・・
親族のみのささやかなミサで
静かに旅立ちたいと・・

そう書き残した遺言に従って
明日・・教会で別れることにした
もっとも94歳ともなれば
見送ってほしい旧友たちも既に先立った

残された88歳になる妻を気にして
大事にしてやってほしい・・と
最後にそう書いてある
明治の気質は・・勇ましくも
荒々しいだけではなかったようだ
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そういうわけで・・この数日
息子も少々忙しい
レスコメントは・・少々遅れそうだが
お許しを・・
by kamadatetsuya1017 | 2006-10-27 21:36 | 未分類
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