宝箱

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思いがけず・・これが見つかった
懐かしい「宝箱」である

少々長いけれど・・こちらを読んでいただけるでしょうか?
boss died

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まだ貧しい世の中だったが・・右肩上がりの活気に満ちた時代だった
大学を卒業して30代までのわずかな時期
テレビ番組をプロデュースするのが・・私の仕事だった
カメラを回すのは仕事ではないが・・
ときどき・・どんな調子?・・とファインダーを覗いたものだった

漫画家の松下紀久雄さんをホストにした「日曜大工110番」
スタジオ制作の番組・・まるで合宿みたいな現場だった
スタッフのHさんが・・暇を見つけては手作りしたのがこの宝箱

この番組の直後に退社することになった私に
スタッフから・・と・・プレゼントされた
送別会の夜のことだった・・

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この宝箱の蓋の裏側に・・「バカヤロ・・・」とある
誰が用意したのか・・その場で彫刻刃で彫ったものだ
蓋の裏側だったから・・色褪せることもなく
まるで・・昨日のことのように鮮やかである

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箱の側面に・・S46・9・9とある・・1971年
40年も昔のことだが・・記憶もまた・・まるで昨日のことのようだ

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今は亡き我がボス・・人生たったひとりの「我がBoss」
この笑顔もまた・・鮮やかによみがえる
ためらうこともなく・・手にした彫刻刃で
「バカヤロ・・」と彫った・・言葉と裏腹の慈愛・・愛情も
決して忘れることはない

アラスカで倒れた私を迎えにきてくれた・・あの日のボスがこれ
アンカレッジの冷たい氷の世界の中で・・いい笑顔でしょ
モーテルのパーキングで・・・私が撮った写真です


by kamadatetsuya1017 | 2009-10-20 07:50 |
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