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早暁

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晩秋の早暁・・
夜明けの光りは・・残酷だ
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まるでレントゲン写真のように
隠された衰微をあらわにする
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しかし・・だからこそ美しい・・とも

てつ56・・more(54/569)

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by kamadatetsuya1017 | 2006-11-26 19:31 |

船出

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黄昏から落日までの僅かな時間
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赫々として燃える天地は
暗い闇への序章
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慣れた航路
夜明けの興奮だけが船出じゃないようだ
慣れた時間
眠りにつくための船出・・

てつ56・・more(53/569)

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by kamadatetsuya1017 | 2006-11-21 22:51 | 自然

晩秋

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労わりのこころが芽生えるのは
この束の間の晩秋・・
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自分のことがよく分かるのも
この束の間の晩秋・・
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抜けるような碧空は
光と影の綾なすこころのフィルター
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完璧から僅かに遠のく色と形が
内省の深みに添えた緩やかな思いやり
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この束の間の晩秋がなければ
ひとは傲慢な生きもので終るのかもしれない
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晩秋・・ひとのこころが育つ・・短い季節

てつ56・・more(52/569)

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by kamadatetsuya1017 | 2006-11-14 21:22 |

明治の気概

亡父の遺品整理がまだ続いている
だからカメラ散歩には・・まだ遠い
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一冊の医学専門書
英語で800ページほどの大冊である
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死んだ頑固爺さんが
これの翻訳を思い立ったのは
どうやら80歳に近い頃だったと思う
大学からも病院からも完全に引退してからのことだ
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「これを翻訳したところで
今の医学には大した影響はない
でもこれは名著で
いつか誰かが翻訳しておくべきだと・・思うんだ」

原書を汚さないようにコピーして
そこに書き込みをしながら
膨大な翻訳への旅が始まった
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これのために集めたらしい夥しい辞書
首っ引きで推敲を重ねていった
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ゆっくりと丁寧に熟読し
まずは手書きで翻訳していった
一行を最も適切な日本語にするために
一切の時間を惜しむことはなかった

死ぬのを忘れたかも・・と威張ってたのは
その頃だったような

この分厚い手書き原稿
なんと全て失敗コピーの
用紙の裏に書いてある

書籍には惜しまぬ金も
紙ならこれでも間に合う
明治的節約とでも・・
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90歳のころまで
日中の殆どの時間を
書斎で過ごしていた
日記には・・判で押したみたいに
9:00よりworth・・
といった記載であふれている
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納得がゆくと
古くはワープロで
近年はパソコンで・・
清書するかのようにタイプされていった

「ワープロ三台乗りつぶしたかな・・」
そう言いながら・・嬉しそうな顔をした
多分 完遂している
90歳を過ぎてからのことだと思うが
これが終って・・気力が萎えた
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パソコンで原文をスキャンして・・
翻訳ソフトを駆使して日本語にし
手直ししてプリントアウト

先端の使い手なら
これくらいのことは簡単かもしれない
しかし
パソコンの計算をそろばんで検算するかのごとく
それが明治の気概なのかもしれない
愚鈍ではあっても
仕事には迫力を感じる

最も信頼していた後輩のドクターのもとに
この一切の資料をお送りすることになっている
80歳から90歳までの10年・・・
これはまぎれもない爺さんの
最晩年の足跡である

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by kamadatetsuya1017 | 2006-11-10 21:37 | 未分類

こころのふる里

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頑固親父が死んで10日
まだ残務があるが
展覧会の搬入は待ってはくれない

木曜日に最後の窯を焚き
土曜日に開けて・・選び
今日の日曜日・・水戸へ走った

その帰路
半世紀の遠い昔を一瞬で蘇らせてくれる
私には忘れがたいこころのふる里を訪ねた
水戸からほど近い筑波山麓である
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地磁気を観測する研究所がある
戦前から戦後にかけて
ここに叔父がいて祖父母がいた

終戦直後の騒然とした時代
私の幼年期の思い出はここにある
のどかで牧歌的な田舎の景色の中に・・
大きな地球儀を表すこの門柱のそばに
いつも出迎えてくれた祖母の姿があった
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広大な敷地の中に
幾つもの研究室が建っていて
柔らかな芝生の上は
子どもたちの天下だった
兎を追って 小鮒を釣る夏の日々
祖父母の目の中で暮らしていた
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研究所の本館は・・・昔のまま
だから
ここに立てば・・いつでも私は幼い子どもなのだ

てつ56・・more(50/569)

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by kamadatetsuya1017 | 2006-11-05 23:46 | 風物