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宝箱

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思いがけず・・これが見つかった
懐かしい「宝箱」である

少々長いけれど・・こちらを読んでいただけるでしょうか?
boss died
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まだ貧しい世の中だったが・・右肩上がりの活気に満ちた時代だった
大学を卒業して30代までのわずかな時期
テレビ番組をプロデュースするのが・・私の仕事だった
カメラを回すのは仕事ではないが・・
ときどき・・どんな調子?・・とファインダーを覗いたものだった

漫画家の松下紀久雄さんをホストにした「日曜大工110番」
スタジオ制作の番組・・まるで合宿みたいな現場だった
スタッフのHさんが・・暇を見つけては手作りしたのがこの宝箱

この番組の直後に退社することになった私に
スタッフから・・と・・プレゼントされた
送別会の夜のことだった・・
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この宝箱の蓋の裏側に・・「バカヤロ・・・」とある
誰が用意したのか・・その場で彫刻刃で彫ったものだ
蓋の裏側だったから・・色褪せることもなく
まるで・・昨日のことのように鮮やかである
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箱の側面に・・S46・9・9とある・・1971年
40年も昔のことだが・・記憶もまた・・まるで昨日のことのようだ
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今は亡き我がボス・・人生たったひとりの「我がBoss」
この笑顔もまた・・鮮やかによみがえる
ためらうこともなく・・手にした彫刻刃で
「バカヤロ・・」と彫った・・言葉と裏腹の慈愛・・愛情も
決して忘れることはない

アラスカで倒れた私を迎えにきてくれた・・あの日のボスがこれ
アンカレッジの冷たい氷の世界の中で・・いい笑顔でしょ
モーテルのパーキングで・・・私が撮った写真です
by kamadatetsuya1017 | 2009-10-20 07:50 |

「駒」のセオリー

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これは・・ヴァイオリンの「駒」である
四本の弦が乗っている
右からE A D G
その順に弦は細く・・音は高い

この「駒」には
微妙な丸みがついているのが見えるが
この曲線が実に大事
曲がり方ひとつで・・
弓をあてがう角度が変わる
弦を変えて音が移行する際に
無駄なく弓を滑らせるには
この角度が重要なのだ

それに・・
二弦にまたがって音を重ねる重音
角度が深すぎたら・・重ねにくい
一方浅すぎれば・・隣りの弦に触れて
単音が弾けなくなってしまう
駒のないギターは・・
弓では弾けない理屈である

左手で指板を支え・・右手で弓をもって弾くから
構えの段階では・・ヴァイオリン本体は
僅かに右に傾くのが普通
その演奏スタイルで・・
弓が自在に弦を選べる角度・・がこれなのだ

400百年以上のヴァイオリンの歴史の中で
経験が生んだセオリーなのだろう
たった四本の弦を・・
必要に応じて・・限りなくスムーズに移動して
単音の美しさを表現できるのも
また・・無理な力を入れずに重音を響かせる技法も
この駒の角度次第・・つまりセオリーがあるからなのだ
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何ごとにつけ「セオリー」というものは・・
長い間には変わることはあるが
無暗に急ぎもせず・・個人的なものでもない
大勢が理解し承知して受け入れる「広さ」がセオリーだと思う

個性的に生きる・・大事なことだ
しかし・・
だからといって「セオリー」が不要だとは思わない
色々なことが自由に選べる時代と社会になったが
基本的なセオリーが見えない不安な時代と社会でもある

一人の声が届かず・・多勢の声が重ならない社会
「駒」のカーブは・・どうなっているんだろう・・?
by kamadatetsuya1017 | 2009-07-19 10:50 |

すぐれもの

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息子が独身だったころには・・こんなことはなかった(タブン・・)
だから・・これは嫁の真琴の気遣いだ
父の日・・
カードと共に宅急便でプレゼントが届いた
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すぐに電話したが・・きっと仕事中だ・・でなかった
暫くして・・「お父さ~ん!・・今お昼の休憩になったから・・」
屈託のない声が聞こえてきた

「お父さんって・・カメラ入れたり入れなかったり
だから・・マチが深いのがいいかな・・って・・」
グレーがかかった淡いグリーンのバッグ
一目で気に入ったが
二目で・・もっと気に入った
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上下のファスナーがダブルになっている
広げれば・・一泊くらいなら旅支度も大丈夫そうだ
確かにカメラを持ったり・・持たなかったり
その日の都合次第が多いから・・これは便利だ

「あなたのバック好き・・彼女は見破ったみたいね・・」
妻もお見通しのこだわりだが・・
病院時代とは違う使い勝手・・遠く離れていながら
気づいた嫁に・・感謝である

ついで・・に書いたら怒られそうだが
娘からも届いた・・地デジ対応テレビ
妻が・・居間と自分の寝室だけを交換したのを知って
私の寝室にもと・・奮発してくれたようだ

子どもたちの豪華なプレゼント・・
やっぱり少々歳とったらしい・・笑
by kamadatetsuya1017 | 2009-06-22 23:52 |

手帳

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「Last 勤務」・・・たった一行だが
病院事務長として過ごした最後の日にこう書いてあある
そして・・この日を最後に・・空白が続く
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1998年9月30日・・がその日だった
翌日から・・仕事としての陶芸に転じたことになる
制作と教室・・10月1日欄に「First 勤務」とでも書けばよかったかも・・
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今も手元に残してある使い古したシステム手帳が二冊
左がダイアリーで右はアドレス帳・・一冊では間に合わなかった
携帯電話はまだ一般的ではなかった時代である

この二冊は・・滅多に手元から離すことはなかった
スケジュールと電話・・仕事の殆どがこれだったから・・

だから・・陶芸に転じて最初に決めたことは
「・・もう手帳は使わない!」だった
工房の壁にかけたカレンダーにメモ書きする程度
空白のスケジュールこそ・・至福の時間だった
それが10年続いた

しかし・・新しい世界に飛び込んで
誰も知らずに・・独りっきりで過ごせた時間も
10年の間には様変わりもする
工房だけでは済まない約束も・・チラリホラリ
それに・・記憶力は加速度的に鈍る
覚えきれずに失礼する場面も・・チラリホラリ
頭を抱えた・・
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ついに・・新しい手帳を買った
以前の二冊に比べれば・・小型で薄めのものだ
少し贅沢に革張りにした
どうせ座右の友・・いつも傍にいるなら
手触りも大事だ
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かくして・・かくも予定が書き込まれつつある
ことさらに忙しいのが好きなわけじゃない
そういう時代は終わったと・・思ってるからだ

しかし・・約束を守らないのも嫌いだ
できるだけ丁寧に書き込んで・・
失礼のないように・・とこころがけることにした

いつの日か・・この手帳がボロボロになるころ
「約束」に拘束される日々は終ってるに違いない
多分・・これが最後の手帳かと・・
革張りを奮発したのも・・そのせいかもしれない
by kamadatetsuya1017 | 2008-07-18 00:15 |

ショルダー・バッグ

昔から・・ポケットに物を入れるのが嫌いだった
そのくせして・・持ち歩く物は多かった
だからバッグなしの外出なんてありえなかった
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10年ほど前・・陶芸に転じて
それを仕事にしたころから・・様変わりした
持ち歩く物はうんと減った
分厚いシステム手帳もいらなくなった
携帯電話だけで十分になったりもしたから・・

でも・・コンパクトでもバッグなしってわけにはゆかない
長年のクセだし・・どうやらバッグが好きだからでもある

前職の病院事務長と陶芸家は・・まるでライフ・スタイルが違う
判で押したようにスーツで暮らすわけじゃない
たまに着るジャケットで使ってもOKで
それでいて・・Gンズでも似合いそうなヤツ・・難題だ

東日本伝統工芸展の最終日に出向いた帰り
上野のアメ横で・・それらしきを見つけた
懸案の個展も・・展覧会も・・どうやら無事に終って
自分への褒美のつもりで・・購入した
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殆ど物欲のなくなったこの10年
工房で必要なもの以外なら・・
本当に久しぶりの買い物である

皮製のショルダーだが・・とても軽くて柔らかい
ファスナーで保護された中身がこぼれる心配もないから
フラップは・・きりっぱなしのとめ具なし
そこらへんが気に入った

常備品を詰めてみたら
それでもゆとりがある・・A4の雑誌も大丈夫だ

久しぶりに・・少しおしゃれな気分が蘇った
明日から・・また新しい挑戦が始まる
by kamadatetsuya1017 | 2008-04-20 21:41 |

ラッピング

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セロハン紙やリボンで・・包まれて
お花が届いた
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花もきれいだけど・・
パッケージも負けてない
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包む・・優しい響き
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包まれる・・温かな響き
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by kamadatetsuya1017 | 2007-03-01 01:11 |

SPレコード

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我が家のどこかにあるはずだと・・
そう思ってもなかなか見つからなかったものがふたつある

ひとつは・・
ビートルズの日本公演のときの未使用のチケット
テレビの仕事を始めたばかりの新米プロデューサーだった私が
主催者からもらったものだった

もうひとつがこれ・・
懐かしいSPレコードのアルバムで
ベートーヴェンのピアノ協奏曲NO5「皇帝」である

亡父の遺品を整理していたら
書架の隅から見つかった 
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ネットから直接ダウンロードできる時代に
音源の歴史をたどっても時代錯誤かもしれないが
エジソンが発明したフォノグラフは1877年らしいが
SPはその時代から数えたほうが早そうな音源だった

78回転・・LPの33回転より更にスペースを食うレコードで
エボナイトが原料だったから・・やたら重かった
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このベートーヴェンのピアノ協奏曲NO5「皇帝」は
およそ40分強の曲だけど
CDなら一枚でたっぷりおつりがくるのに
なんと五枚組である
3~4分毎に裏返して針を置く
面倒な仕掛けだった
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ルドルフ・ゼルキンのピアノ
私の少年時代にすでに巨匠だった
ユージン・オーマンディー指揮のフィラデルフィア管弦楽団
半世紀近く常任指揮者だったから
彼のオーケストラとも言えるほどに
定番の組み合わせだった

若き日の今は亡き我が頑固爺さん
自分で作った大きな電蓄に
これを乗せて針を落としていた
時々 裏返すのを手伝った覚えもある

折角見つけたアルバムだが
これを聞く装置がない
幼馴染の親友にその道の専門家がいる
相談してみようかと・・

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by kamadatetsuya1017 | 2006-12-21 23:21 |

what is this?

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久しぶりの・・工房特設スタジオから・・
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これって・・何だと思う?
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案外身近にあるんだけど・・
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by kamadatetsuya1017 | 2006-10-05 23:14 |

目覚め・・

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ここは・・・何処?
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ブルブルッ!・・と
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目が・・覚めた
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オレって・・いつからここで寝てた・・?・・ボソッ
書架の隙間で見つけた・・赤ベコ





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by kamadatetsuya1017 | 2006-08-20 01:12 |

River, no return

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仕事場に着いて・・最初にすることは
いつでも・・腕時計をはずすことだった
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しめつけられるのも嫌いだったが・・
時間に追われるのは・・もっといやだった
でも・・時計なしには暮らせない
人生の殆どが・・そうだった
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もうなくても大丈夫・・そう思えるようになって
そしたら・・
娘の贈り物が・・この腕時計
時間よりも・・その気持ちを大事に・・

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by kamadatetsuya1017 | 2006-08-09 23:48 |