カテゴリ:陶芸( 40 )

変遷・・糸抜き技法

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この10年近く・・
公募展の出品は・・これだった
「糸抜き波状紋大皿」・・概ね50センチ強の皿に加飾したものである
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拡大部分図にすれば・・こう
写真にするとモアレになりやすく・・面倒な装飾でもある
糸を貼り終えたところで・・これから白泥の化粧を施す直前
白泥を吹きつけたら・・後に糸を剥がして紋様を浮き上がらせるという寸法
糸と糸の間隔は・・広いところでも数ミリである
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↑のように波頭を立てる場合もあれば・・
穏やかで柔らかな波を描くこともできる
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次の展開を考える時期にもきているから
少しづつ・・新しい試みもしているが
これは・・「天衣紋」とでも・・
天女のケープが風に舞う・・そんなイメージだろうか
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30センチほどの皿にも・・施してみた
実用への応用・・のつもりである
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黒い素地にオフホワイトの白化粧を掛ける予定である
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実際に焼成すると・・こんな具合である
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下絵で色を入れてもみた
しつこくならないように・・そう心がけているが・・
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この50センチほどの「糸抜き菱線紋六角大鉢」
既に焼成してあって・・秋の個展のDMはがきに使う
先日プロのカメラマンさんに撮っていただいて
目下印刷中・・近々ご披露のつもりである

今していることの完成度をあげること・・そして
次に何をしようとしているのか・・を探ること
還暦もとうに過ぎたが・・結構慌ただしい
幸い・・体に不調があるわけでもないので
もう少し・・頑張ってみようと・・思っている


第56回 日本伝統工芸展・・のこと・・more・・で

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by kamadatetsuya1017 | 2009-08-28 09:51 | 陶芸

「酸化」・・と・・「還元」

今夜は・・少し陶芸の話・・
↓の二枚の写真は・・
同じ土・・同じ釉薬・・違う焼成方法
ガラリと雰囲気が変わります
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半分陶土で半分が磁器土で作られた「半磁土」を轆轤で挽いて
黒天目釉を掛けて・・その上に鉄赤釉を垂らして
電気窯による酸化焼成で焼いたのが・・これ↑

酸化焼成というのは・・
窯に火を入れてから・・最後まで
たっぷり酸素を送り込んで焼く焼き方
天目釉が僅かに深い溜色のワインレッド色調で
鉄赤が・・真赤
これはこれで・・少し華やかな黒の世界です
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↑は・・
全く同じ土に・・同じ釉薬を掛けて
ガス窯の還元焼成で焼いたもの

還元焼成というのは・・
900度までの酸化焼成の後に
それを越えたあたりから
窯に送りこむ酸素の量を減らして焼く焼き方

判り易く言えば
エントツの引きを押さえて
窯内を燃焼ガスで充満させ
外から酸素を取り込めないように仕掛ける・・ってこと

こうすると
窯の中で・・燃えるために必要な酸素を
中に詰まっている器の粘土や釉薬から奪って
燃えようとするのですが・・
これが・・還元焼成・・というわけです

そのせいで・・
窯の中で・・思いがけない変化が起こり
(これを窯変というのですが)
酸化焼成とはちがった雰囲気がでてきます

一枚目に比べると・・
二枚目の見込みの赤色は・・ちょっと複雑
僅かにメタリックな輝きを含みました
この変化が・・還元焼成の醍醐味ともいえます

同じ土・・同じ釉薬・・なのに・・
焼きあがりの大きな変化が面白いのです

あなたは・・どちらがお好き・・?
by kamadatetsuya1017 | 2009-08-12 00:21 | 陶芸

めっぽう贅沢な・・春です

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今日・・通知が届いて・・
第49回東日本伝統工芸展
3年連続3回目の入選でした

今年に入ってから・・
できるだけ集中して・・制作に打ち込んできました
大きな展覧会がふたつ・・締切りが迫ってたからでした

これで・・この春の展覧会は全て
展示は全部で・・三つの展覧会となりました
贅沢な・・春でしょ・・自分が一番判っています
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これは去年の秋に・・審査は終わっていましたが
展示は・・3月の末から・・6月まで・・ロングランです

全国公募ですが・・入選は50点ほど・・初出品初入選です
贅沢な空間を・・照明の効果を利用して演出するので
独特な雰囲気が楽しめますよ
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正月は・・この展覧会向けを制作することから始まりました

16回展から5回連続入選でした
特に・・今回は賞候補に選抜されました
アカデミーで・・最終審査にノミネートされたようなものです
受賞は逃しましたが・・名誉なことです

三つとも難関ですから・・
通れたことを・・素直に喜んで
秋に向かうことにします

また新しい作品を・・
更に改良を加えて完成度をあげる・・
生き残る道は・・きっとそれだけ・・
苦しいけれど・・でも・・楽しいのです
by kamadatetsuya1017 | 2009-03-09 23:15 | 陶芸

賞候補・・に

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第20回日本陶芸展・・書面の入選通知が届きました
これで・・ひと安心
やっぱり活字でないと・・どこか・・?・・笑
そそ・・ふる~~い人間なのです

雑誌「陶遊」の連載のこともありますから
入選を確かなものに・・笑・・と封を切りました
中に入れてくれていた招待券がこれ・・
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「???・・!!!」・・これが気分でした・・笑
「うっそぉ~~!!マジッ!!」です

『6票・・賞候補』・・これを極くかいつまんで翻訳しますと

「あなたの作品は・・
約600点の応募作(一部伝統部門)を・・6~7名の審査員が
○×で入選と選外に振り分けた一次審査で・・6票を獲得しました

翌日の二次審査において・・
上位約90点ほどの入選作の中の
15点ほどの賞候補に選抜されました
受賞には届きませんでしたが・・賞状を授与し 
図録の上位に「賞候補」と記載して掲載します

とまぁ・・そんなところなのです
大真面目に書きますが・・実に名誉なことです

少々乱暴な書き方で恐縮だけど・・
「・・ほぼ1000人の応募者の中で・・
満票で入選を手にし・・その上
ベスト20の中に序列されましたよ・・」

52歳で始めた晩学陶芸が・・
幾ら図々しくても・・ここまでは望めません
 
0.2%の5回連続入選だけでも
そりゃもう・・とんでもないことだと思っていまして
「賞候補」まで指数にしたら・・
この確率・・天文学的分の一になってしまいます・・笑

率直に・・この嬉しさをかみしめて
次を目指す糸貼りにかかることにします

別室のブログに・・もう少し詳しく書きました
寄ってみていただければ・・幸いです

桃青窯696
by kamadatetsuya1017 | 2009-02-08 00:14 | 陶芸

第20回 日本陶芸展・・

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夕方の7時少し前・・コイン・パーキングに車を停めた
7時から会合があるのだが
展覧会の入落を知らせる電話の開始も7時なのだ
じっと・・待った
こういう時の時計の針は・・老人の杖のようにゆっくりである

6時58分・・しびれをきらしてダイヤルボタンを押した
「まだ・・だめでしょうか・・?」・・意外にも
「どうぞ・・!」
「1○9○番の・・△▲▽▼ですけど・・」

「・・・・・・・」
多分ほんの数秒だが・・これが長い
「あっ・・おめでとうございます・・入選です!!」

途端に空腹に気づいた・・会合には確か夕食がでる
「急がなきゃぁ~~!」だった

第16回 17回 18回 19回と・・続いた連続入選
5打席目がヒットになる可能性は・・どれくらいだろうか?
算数苦手には不向きだが・・簡単ではなさそうなくらい分る

従来と似たような経緯なら・・
1、000人が応募して・・生き残れるのは180人そこそこ
簡単なわけがない・・新顔が混じってきてるというが
それでも・・この業界では名の通った作家が目白押しである

よくもまぁ・・生き抜いてこられたものだ
5回・・8年が流れた
随分長い時間のようでもあり・・短かったようでもある

このレベルの展覧会では・・
自分で自分の作品に・・わずかでも不満が残ったら
大抵は・・選外である

通る・・通らないはともかく
今の自分にはこれ以上は無理だ・・
そういう意味でのベスト・ワンでなければ
到底勝てないと思うべきなのだ

おまけに・・今回の応募
「第20回日本陶芸展への道・・脱サラ陶芸家の公募展挑戦記」と題して
陶芸の月刊専門誌が・・密着取材している
連載で・・結果まで追うというのが企画趣旨

アマチュア陶芸家への応援歌・・
「あなたにも・・デ・キ・ル!」がメッセージだとすれば
やっぱり選外でより・・入選のほうが効果的なのは言うまでもない

今朝からやや食欲をなくしていたのは・・
引き受けたときより・・今頃になって
選外のプレッシャーが押し寄せてきたのかもしれない

雲は・・晴れた
あとは編集者の筆力まかせ・・
久しぶりの仲間の集まりでたらふく食べた

「糸抜き波状紋大鉢」・・写真はあるが
今は掲載できない・・展覧会の展示が優先である

全ては・・幸運にも良い方向に向かったが
嘘はつけないから・・正直に・・
第三部に提出した「黒天目鍔広組鉢 六客」は・・
・・選外だった・・

これをいち早く引き取らせるために・・
搬入してわずか三日で・・
入落を電話で知らせる仕組みになっているのだ

欲張るつもりは微塵もない
ただひとつ・・糸抜き波状紋大鉢・・が通った
それで・・いい

昨日・・ちょっとした不注意で転んで捻挫した
嫌な予感がしたが・・何事もなく
滑った・・転んだ・・で選外の憂目に会わずに済んだ
by kamadatetsuya1017 | 2009-02-02 23:10 | 陶芸

目下開催中・・です

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『第4回伝統工芸陶葉会作品展』・・が
6日の火曜日から12日の祭日月曜日まで
千葉三越7階特選画廊で開催されています

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この作品展は・・千葉県在住で・・
日本工芸会に所属する陶芸家が集まって
公募展とは一味ちがう身近な作品を
展示販売するという企画です
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私も去年から入会が認められ
出品することになりました
そんなわけで・・いつもの波状紋皿とは違う
天目の黒に同じ鉄釉を併せ掛けした器を出品しています
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9日の金曜日は・・
午後2時から7時まで
当番で会場に詰めています

もし・・お近くの方がおられたら・・ご笑覧を・・!

本選の日本伝統工芸展で展示される
どちらかといえば鑑賞に傾いた大物作品とはちがって
日々使える食器の類が多いせいもあって
結構楽しい展示だと思います
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糸抜き波状紋も・・
大皿ではなく・・壁花入れにして作ってみましたら
ありがたいことに初日にお買上げがありました
新年早々・・嬉しい初日でした
by kamadatetsuya1017 | 2009-01-07 23:56 | 陶芸

第55回日本伝統工芸展初日

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朝いちばんで・・桃次郎の散歩
シャワーに入ってから・・「自作自食」のかまだ食堂

昼前に日本橋三越に着いた
この展覧会・・相変わらずの人気
初日からにぎわっている
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裏正面とでもいう辺りに・・私の大鉢があった
正面の柱の向こうがエレベーターというわけだ

夕方まで在廊していたが・・
大勢の知人にご来廊いただいた
いつものことながら・・ただただ感謝である
見てくださる方がいて・・作品は育つ
いつもそう思って制作してきた
『育つ』のは・・作品でもあるが・・
作者もまた同じなのである

・・特筆すべきは・・
私の大鉢・・初日にして・・
お買い上げの赤ポチがついた

『注文しようと思ってたけど・・折角だから
記念に入選作を買い上げることにします・・』と・・
そうおっしゃっていただいた・・感激である

気に入ってお買い上げいただける・・
プロとして・・これにすぐる名誉はないのである
by kamadatetsuya1017 | 2008-09-23 20:46 | 陶芸

今年も入選できましたぁ~~!!

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陶芸を始めてすぐのころ・・勉強にと思って
この展覧会に出向いたことは何度もありました

そして・・いつでもこの展覧会は
雲の上の展覧会なのでした
手も届かなきゃ・・歯もたたない
そんな思いで図録を購入し
夜な夜な眺めては・・溜息をついていました

あれから10年余
去年に続いて・・今年もまた入選を果たしました
人生に何が起こるか・・やっぱりわからないものです

いつだったか・・プロ野球のニューフェースが
試合に出た後のインタビューで
「去年まで・・テレビでしか見たことのなかったスター選手と
一緒に同じグランウンドに立っているって・・
とっても不思議な気分でした」
そう言ってたのを思い出します

全く同じ気分とでも・・10年前の雲の上に
私の作品が並ぶのですから・・

今朝の新聞に・・今年も
私の名前を見つけて入選とわかりました
何度味わっても同じことですが
この幸運は飛び上がるほど嬉しいものです

通ったこともうれしいのですが
通ることによって・・
次にどうすればよいのかも
おぼろげながら見えてくるのが
もっとうれしいのです
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今朝の新聞の話題は・・この4人のアスリートたち
百分の一秒を詰めるために払う努力には
壮絶なものがあります

負け続けていては・・どうしても掴めない
「何をなすべきや・・」が・・このメダルから
将来につながってゆくに違いありません

ここでも「幸運」がもたらしたものを
大事にすべきだと思うのです
by kamadatetsuya1017 | 2008-08-23 22:10 | 陶芸

とうとう明日から・・です

前回までにいただいたコメントに・・
ちゃんとレスできないままに
とうとう明日からを迎えることになりました
数日中に・・必ずレスさせていただきます
お許しを・・

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今日(2/25)の昼から
搬入した作品を展示してきました
慣れないものですから・・少々疲れました
少し詳しくは・・「桃青窯696」のほうに
お立ち寄りくださいな・・

改めて・・ちゃんと報告させていただきます
by kamadatetsuya1017 | 2008-02-26 00:18 | 陶芸

個展デビューが近づいて・・・

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9ヶ月もあった約束の時間も・・
過ぎてみればあっという間の星の瞬き・・
その間に・・激痛の入院生活もありました
難関の展覧会に立て続けに入選する幸運もありました
不思議な一年でしたが・・
こうしてまた新しい道を歩くころができる悦びを
密かに神に感謝なのです
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近日中に発送するこのDMが手元を離れれば
後戻りのきかない「道」でもあります
「初めて・・」の恐さとときめきを大事に
あと一ヶ月・・最後の追い込みに入ります

ご無沙汰が続いて・・ほんとに申し訳ありません
↓のご挨拶が・・工房に巣篭もりして過ごした
晩学陶工の・・こころの表れと思っていただければ・・


                       初個展開催のご挨拶

この10年、公募展への出品に全力を投じてきましたが、昨平成19年は「日本陶芸展」「伝統工芸新作展」「日本伝統工芸展」と立て続けに難関を突破することができ、陶歴13年にしては望外の実り多き年にすることができました。

これを機会に、個展への意欲を感じ始めましたところ、幸いにも東京青山の『蓮花画房』さんから個展開催のオファーを頂きました。
初めてのこと故に少し時間的なゆとりがいただければという、私の我侭を寛大にもお聞き取りいただき、9ヶ月後にということでお約束しました。

さて、幾つかの試作をしながらと思った矢先の病で入院手術を余儀なくされ、貴重な数ヶ月を失いました。
体力、気力の回復も不十分ながら、それでも工房にこもって作陶を再開したのは秋も深まってからのこと、焦燥にかられながら夢中で轆轤と窯に対峙する日々が続きました。
土を挽いて乾燥を待つのも、窯に入れて冷めるのを待つのも、陶芸は何をするにせよ時間がかかるのが宿命、一年が一ヶ月にしか思えないそんな日々を思うと、頭に描いたイメージは時間の恵みなしには到底叶わぬものと実感するのでした。

約束の時が近づきました。決して充分とは言えませんが、それでも幾つかの作品を発表させていただくことにしました。
「食のうつわ展」と銘打ったのは、食器作りが好きだからでもありますが、実用に供し、使うことで風合いを増す器の美しさに魅かれるものが多いからでもあります。
更に言えば、使って愛着が生まれるころに、ふと手元が狂って落として壊れるその儚さもまた実用陶の魅力だと思ってきました。

ややもすると、大きさや緻密な加飾の華麗の故に鑑賞に偏る公募展への出品とは違った実用の陶を作ることで、作家のこころに宿る微妙な調和を大事にしたいと願ってもいます。
初個展を迎える悦びに胸を躍らせながらも、しかし多くの使い手の目にどう映るのかにいささかの不安を覚えますが、更に精進を重ね、魅力的な食器作りを心がけて参ります。
別紙を添え、ご笑覧賜りますよう心からお願いし、謹んでご案内させていただきます。
なお会期中、全期間在廊します。お目にかかれる機会を心からお待ち申し上げます。

                                            桃青窯 三 崎 哲 郎

by kamadatetsuya1017 | 2008-01-27 20:24 | 陶芸