斑鳩の里

法隆寺の素晴らしさは・・別に書こう
ともかく半日・・この荘大な聖徳太子ゆかりの寺で
いささか保湿能力に欠けた「我がこころ」は
飛鳥のみずみずしさに触れて蘇る思いだったからだ・・
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法隆寺の土塀に挟まれるように歩き始めたこの道を
数キロ歩けば・・法起寺がある
これもまた別に書きたいことだが
大阪での「日本陶芸展」にお越しいただいたDR.Sに
「明日・・法隆寺を訪ねるつもり・・」とお話ししたら
是非にもと教えられた太子ゆかりの法輪寺 法起寺のひとつである
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車は法隆寺に預け・・ホトホトと歩いた
こんな日は・・年に何度あるんだろう・・と
そう思わせる五月晴れ・・斑鳩の里に涼風が吹きぬける
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法隆寺の五重塔を背に歩き始め
やがて法輪寺の三重塔が見え・・
過ぎれば遥か彼方に・・法起寺の三重塔が目に届く
まるで・・狼煙が目印のインディオの道しるべみたいだ

やがて目の当たりにすれば・・それはあまりにさりげないが
1500年からの悠久の「時」に濾過された仏のこころがそびえていた
法起寺の三重塔・・国宝である
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殆ど訪ねる人もない月曜日の昼下がり
この閑けさこそ・・飛鳥の斑鳩に違いない
この国宝の前に立った刹那・・
胸をよぎったものは・・ルーブルのミロだった
ホールに何気なく置かれたあのヴィーナスである
歴史的な遺産は・・
遠くに眺めるのではなく・・近くで感じるものであってほしい

手でふれてはいけないが・・
触れたければ触れられそうなところにある・・
その距離が・・歴史にタイムスリップさせるのだ
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この南大門・・ふと羅生門の映画を思い出す
まるで破れ寺のごとき風情だが・・それも自然
見る・・ではなく・・居る・・それが自然だと
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繊細とか華奢ではない分・・ずっしりと胸に迫る三重塔
平安と平城の違いかもしれない
バロックとロマン派を隔てる空気
ここに似合うのは・・ショパンではない・・バッハだと思う
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そんなことを思い浮かべながら・・
この即席みたいなブロックベンチで
いつの間にか・・2時間近くが過ぎていた
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ここが京都なら・・
壊れそうな庫裡をほってはおくまい
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蓮池に・・毎年のように蓮は健気に花をつけているが・・
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ひとが作ったものは・・やがて傷み・・壊れる
しかし・・全てを括って・・そこに居合わせる
だから・・ここで2時間があっという間だったのだと・・思う

名所旧跡・・「所」も「跡」も場所だとは思いたくない
そこに漂う空気と時間・・たっぷりと味わうことができた
久し振りの旅の醍醐味だったような気がする
by kamadatetsuya1017 | 2009-05-22 10:16 |
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