個展デビューが近づいて・・・

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9ヶ月もあった約束の時間も・・
過ぎてみればあっという間の星の瞬き・・
その間に・・激痛の入院生活もありました
難関の展覧会に立て続けに入選する幸運もありました
不思議な一年でしたが・・
こうしてまた新しい道を歩くころができる悦びを
密かに神に感謝なのです
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近日中に発送するこのDMが手元を離れれば
後戻りのきかない「道」でもあります
「初めて・・」の恐さとときめきを大事に
あと一ヶ月・・最後の追い込みに入ります

ご無沙汰が続いて・・ほんとに申し訳ありません
↓のご挨拶が・・工房に巣篭もりして過ごした
晩学陶工の・・こころの表れと思っていただければ・・


                       初個展開催のご挨拶

この10年、公募展への出品に全力を投じてきましたが、昨平成19年は「日本陶芸展」「伝統工芸新作展」「日本伝統工芸展」と立て続けに難関を突破することができ、陶歴13年にしては望外の実り多き年にすることができました。

これを機会に、個展への意欲を感じ始めましたところ、幸いにも東京青山の『蓮花画房』さんから個展開催のオファーを頂きました。
初めてのこと故に少し時間的なゆとりがいただければという、私の我侭を寛大にもお聞き取りいただき、9ヶ月後にということでお約束しました。

さて、幾つかの試作をしながらと思った矢先の病で入院手術を余儀なくされ、貴重な数ヶ月を失いました。
体力、気力の回復も不十分ながら、それでも工房にこもって作陶を再開したのは秋も深まってからのこと、焦燥にかられながら夢中で轆轤と窯に対峙する日々が続きました。
土を挽いて乾燥を待つのも、窯に入れて冷めるのを待つのも、陶芸は何をするにせよ時間がかかるのが宿命、一年が一ヶ月にしか思えないそんな日々を思うと、頭に描いたイメージは時間の恵みなしには到底叶わぬものと実感するのでした。

約束の時が近づきました。決して充分とは言えませんが、それでも幾つかの作品を発表させていただくことにしました。
「食のうつわ展」と銘打ったのは、食器作りが好きだからでもありますが、実用に供し、使うことで風合いを増す器の美しさに魅かれるものが多いからでもあります。
更に言えば、使って愛着が生まれるころに、ふと手元が狂って落として壊れるその儚さもまた実用陶の魅力だと思ってきました。

ややもすると、大きさや緻密な加飾の華麗の故に鑑賞に偏る公募展への出品とは違った実用の陶を作ることで、作家のこころに宿る微妙な調和を大事にしたいと願ってもいます。
初個展を迎える悦びに胸を躍らせながらも、しかし多くの使い手の目にどう映るのかにいささかの不安を覚えますが、更に精進を重ね、魅力的な食器作りを心がけて参ります。
別紙を添え、ご笑覧賜りますよう心からお願いし、謹んでご案内させていただきます。
なお会期中、全期間在廊します。お目にかかれる機会を心からお待ち申し上げます。

                                            桃青窯 三 崎 哲 郎

by kamadatetsuya1017 | 2008-01-27 20:24 | 陶芸
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